仙台高等裁判所秋田支部 昭和24年(を)109号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(要旨)
按ずるに、本件記録中の昭和二四年五月一三日附起訴状及び同年七月六日附訴因及罪名罰條の追加請求書の記載を對照すれば檢察官は被告人が原判示築館久司方住家附近に積んであつた茅に點火した事實を基礎としてまず同人方住家に對する放火未遂としての審判を請求し、若しこの放火未遂が認められないならば、同一事實を基礎として建造物以外放火及び脅迫としての審判を請求しているものであること即ち放火未遂の訴因及罰條に對し予備的に建造物以外放火及び脅迫の訴因及び罰條が追加されたことが明白である。而して原判决は建造物以外放火及び脅迫につき判示しているのであるから原審は審理の結果まづ住宅放火未遂の點についてはこれを認め得ないものと判斷したので更に進んで建造物以外放火及び脅迫の點について判示したものと解すべきであるから住宅放火未遂の點については間接にこれを認めない趣旨を判示しているものであるのみならず檢察官の審判の請求が予備的であることは前段に説明した通りであるから原判决が建造物以外放火及び脅迫につき審判した以上、更に住宅放火未遂の點につきこれを認めない旨判示する必要のないことは當然である。もつとも前記訴因及び罰條等の追加請求書には『追加』なる文字を使用してはいるがこれは訴因罰條の予備的記載であり、放火未遂と建造物以外放火脅迫の双方につき同時に審判を求める趣旨ではないことは前に説明した通りであるからこの『追加』なる文字に拘泥して原判决を非難するのは失當である。論旨は理由がない。